3.3節の提案手法では,すべての単語に加えたい属性を加え,コサイン類似度が高いものを出力として類推を行った.3.2節の提案手法よりコサイン類似度は高くなったが,◎と◯を合わせた正解率が21%となった.原因として以下のように考えられる.
- 変化の差が小さい
3.3節の提案手法で行われた多くの類推に鳥に関する類推が多く出た.例えばサヨナキドリ(nightingale)を小さく(is_small)するとムクドリ(starling)なるという誤った類推が行われた.これはサヨナキドリとムクドリでは体長はムクドリのほうが小さいがあまり変わらないとして類推できないと判断されることがあった.このように変化が小さい類推の場合は△または×の評価となってしまい,正解率が下がってしまったと考えられる.
- 逆の類推
サバ(mackerel)を小さく(is_large)するとスズキ(perch)になるといった誤った類推が行われた.これはサバとスズキではサバのほうが小さいため×となった.
- 連想できない類推
6.1節と同様にイカ(squid)を大きく(is_large)するとタコ(octopus)などの連想できない類推があった.