パターンについて

変換テーブルの作成において,複数の変数によるパターンが用いられている. 表5.85.9に変換テーブルとパターンの例を示す.

5.8は正解と評価される変換テーブルである.


Table 5.8: パターン例
A 落ちる B fall
C 犬を激しく D scratched wildly
  ひっかいた   at the dog
A原文 葉 |が |落ちる。
B原文 The |leaves |fall.
C原文 猫 |が |犬を激しくひっかいた。
D原文 The |cat |scratched wildly at the dog.
日本語パターン X2 X1 X3
英語パターン X1 X2 X3

5.8では「が」と「The」のように訳されない単語を仮定した上で, SVの形でパターンが生成され上手く対応されている. (ここでDの原文はSVO形ではあるがVとOを一つの句として扱っている)

5.9は誤りと評価される変換テーブルである.

Table 5.9: パターン例
A B book
C 犬をひも D a leash
A原文 本 |を |買っ |た。
B原文 I |bought |a |book.
C原文 犬をひも |に |つないで |ください。
D原文 Put |your dog |on |a leash.
日本語パターン X4 X2 X3 X1
英語パターン X1 X3 X2 X4

5.9ではD原文が命令文のため,動詞が先頭に来る. しかしB原文は通常のSVO形を持っているため同言語間で動詞の位置が異なってしまう. よって,英語のパターン作成において動詞が対応ついていない.

パターン作成において対応がついていない変換テーブルは誤った変換テーブルが多く見られる.