評価例

5.1.4章で評価した変換テーブルの例を示す. 表5.6は正解と評価した例である.


Table 5.6: 評価例
A 少し B little
C 調査 D reseach
A原文 その会社は調査部を設けた。
B原文 The firm has instituted a research department.
C原文 英語は少し話せます。
D原文 I speak a little English.

5.6において対訳関係は正しいと考える.ここで置き換え可能性を考える. 「少し」は副詞であり,「調査」は名詞である.副詞は後ろに何を伴っても良い. よってACは置き換え可能性があると考えられる.

5.7は正解と評価した例である.


Table 5.7: 評価例
A 限り B limit
C では D at
A原文 地下資源には限りがある。
B原文 There is a limit to underground resources.
C原文 成功へはめったに一足飛びでは届かない。
D原文 Success is rarely reached at a single leap.

5.6と同様に表5.7も対訳関係は正しいと考える. 同様に,置き換え可能性を考える. 「で は」は主に接続助詞と係助詞の連語であり,「限り」は名詞である. 接続助詞の前単語は名詞を取る.名詞は複合名詞の形で名詞につながる可能性がある. よってACは置き換え可能性があると考える.

5.6と表5.7で示した例のように 品詞が異なった変換テーブルの置き換え可能性を評価するのが難しい. よって安定的な評価を行うためには対訳関係のみで評価する方が良い.