おわりに

本研究では,類似箇所が出現するフローチャートを簡略化する手法を提案した.

提案手法は,類似箇所をマージすることによって,フローチャートの規模を縮小し,フローチャートの簡略化を行った.マージの判定は類似箇所の対話の内容を基準に3種類の判定方法で行った。

「電源がつかない」の問診20件と「再生中にフリーズする」の問診20件で提案手法の3種類の判定方法で実験を行った結果,「電源がつかない」のフローチャートのノード数が97個からそれぞれ25個,64個,56個に減少し,「再生中にフリーズする」のフローチャートのノード数が74個からそれぞれ24個,47個,44個に減少した.3種類のマージの判定方法全てでフローチャートのノード数が減少し,フローチャートの規模が縮小した.

フローチャートの簡略化は行えたが,マージをする際にフローチャートの対話内容に変化が起こることがあった.情報が増加しより良い内容になることもあったが,内容が変化し対話の流れが不自然になる場合もあった.類似箇所をマージしているためこのようなことが起きる.

今後の課題として,類似箇所でマージを行っても対話が不自然にならないマージ箇所の判定方法を見つけることが課題である.