おわりに

本研究では, 教師あり機械学習を用いて株価予測と, 株式相場や経済に関わる知見獲得を行った.

株価の予測では, 毎日新聞を学習データとテストデータに用いて実験を行った. 実験の結果, 新聞記事のタイトルを用いるだけでもある程度の予測ができることがわかった. 提案手法では, 利益はベースラインより劣ったが, 1年間の損失の最大値はベースラインよりも小さかった. よって, 使い方によっては提案手法が役立つ場合もあると考えられる.

知見獲得の研究では, 機械学習に使った学習データの素性を分析することで, 株価の騰落に関わる知見を獲得することができた. しかし, 本研究の実験において知見獲得のために用いた学習データは実際に株価予測に使ったものではなかった. よって, 得られた知見は単純なものが多かった. より興味深い知見を得るためには, 素性分析を行う学習データを実際に株価予測に使ったものにする必要があると考えられるが, そのためには予測の正解率を向上させる必要がある.