本研究では, 教師あり機械学習を用いて株価の予測と, 株式相場や経済に関わる知見の獲得を行ったが, いくつかの問題が残っている. 本章では, その問題を今後の課題として以下にまとめる.
- 本研究で行った株価の予測であるが, 提案手法で一番利益が高かったものの正解率は0.451であった. これはベースラインと比較して損失の最大値は抑えらているものの, 利益は劣っている. 入力や素性を他のものに変え, 予測の正解率が向上するものを探る.
- 知見獲得の素性分析に使用した学習データは, 2日前の終値と前日の終値の騰落を当日の朝刊から予測したものであり, 実際に株価予測に使用した学習データではなかった. よって得られた知見は株価の騰落に関するものなど, 単純なものが多かった. 正解率を向上させた株価予測の学習データを用いることでより興味深い知見を獲得することを目指したい.
- 本研究では, 毎日新聞から株価の予測を行ったが, 他の新聞記事やウェブデータなど, 他のデータから株価が予測できるのかを調査したい.