被験者実験

3人の被験者実験の結果を表4.15と表4.16と表4.17に示す. 表4.15と表4.17中の数値は置き換え可であると判断された回数である.また,表4.15の副詞の低と形容詞の高は実験した対義語対の数が3個ではなく2個なので数値を1.5倍している. 表4.16は表4.15の結果を,3(分類ごとに実験した対義語対の数)×10(1組の対義語対の問題数)×3(被験者の人数)の90で割り,割合にしたものである.




表: 被験者実験の結果1
  名詞 動詞 形容詞 副詞 合計
39 31 64.5 48 182.5
57 38 64 41 200
82 65 78 61.5 286.5




表: 被験者実験の結果2
  名詞 動詞 形容詞 副詞 合計
0.43 0.34 0.72 0.53 0.49
0.63 0.42 0.71 0.46 0.57
0.91 0.72 0.87 0.68 0.81





表: 被験者実験の結果3
品詞 対義語対 分類分け 置き換え可
名詞 「潜在」「顕在」 7
  「是認」「否認」
  「肥沃」「不毛」
動詞 「引っ掛かる」「だます」  
  「迎える」「送る」
  「誇る」「恥じる」
形容詞 「鋭い」「鈍い」  
  「難い」「やすい」
副詞 「少し」「たくさん」  
  「あっさり」「こってり」
  「うっすら」「はっきり」
名詞 「発信」「着信」
  「退社」「入社」
  「格上げ」「格下げ」
動詞 「尋ねる」「答える」  
  「くっつく」「離れる」
  「眠る」「目覚める」
形容詞 「固い」「柔らかい」  
  「そぐわない」「ふさわしい」
  「熱い」「冷たい」
副詞 「はっきり」「ぼんやり」  
  「わざと」「うっかり」
  「ちょっぴり」「どっさり」
名詞 「実像」「虚像」 27
  「カラー」「モノクロ」
  「正室」「側室」
動詞 「勝つ」「負ける」  
  「叫ぶ」「ささやく」
  「沸かす」「冷やす」
形容詞 「美しい」「醜い」  
  「少ない」「多い」
  「憎い」「いとしい」
副詞 「まだ」「もう」  
  「ぐずぐず」「はきはき」

4.15と表4.16より,被験者実験と機械学習の性能を比較した結果,全体としては高と低は概ね機械学習の性能と対義語対の置き換えの可否に逆の相関がある. また,名詞と動詞に関しては高から低に近づくほど置き換え可の数値が上がり,機械学習の性能と対義語対の置き換え可否に逆の相関がある.しかし,形容詞と副詞に関しては高と低は機械学習の性能と対義語対の置き換え可否に逆の相関があると言えるが,中が高より低くなっている.