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主観によるネットワークの評価の考察

5.1.2節の評価方法に基づき評価した結果,新聞データを用いる先行手法より検索エンジンを用いる基本手法のほうが,新規で情報取得に役立つノードが多かった.そのうち,先行手法ではテーマキーワード20個のうち約4割は新規で情報取得に役立つノードが5個以上見られたが,基本手法ではテーマキーワード20個のうち約8割で新規で情報取得に役立つノードが5個以上見られた.また,スニペット法ではテーマキーワード20個のうち1個しか,情報取得に十分であるネットワークを作成できなかった.しかし,スニペット法に用いるスニペット上位5件分は,合計文字数がネットワークのノードの合計文字数の約2倍ほどであるため,必ずしも文字数が多いほうが評価方法に有利になるわけではないことがわかる.

基本手法のみが情報取得に十分とされるネットワークを作成できる場合も見られた.例として,図5.1より,テーマキーワードを「鳥取」として先行手法で作成したネットワークには,テーマキーワードである「鳥取」に関する情報が少なかった.しかし,図5.2より,同じくテーマキーワードを「鳥取」として基本手法で作成したネットワークには,テーマキーワードである「鳥取」に関する「鳥取砂丘」「大山」といったノードが見られた.これは,先行手法で用いている新聞データに,テーマキーワードに関する情報が少ないためであると考えられる.

しかし,基本手法で作成したネットワークが,先行手法で作成したネットワークよりも新規で情報取得に役立つノードが少ない場合もあった.図5.4のテーマキーワードを「石油」として基本手法で作成したネットワークには,新規で情報取得に役立つノードが「シェールオイル」のみであったが,図5.3のテーマキーワードを「石油」として先行手法で作成したネットワークは,「シェールオイル」のノードを含み,新規で情報取得に役立つノードが5個以上であった.これは,収集した検索結果50件のデータが新規で情報取得をするのに不足していたためであると考えられる.



2017-04-20