表7.28を見ると,正解率の平均は高・中・低がそれぞれ,動詞では(0.75・0.83・0.45)となり,形容詞では(0.93・0.91・0.63)となっていることが分かる.人手評価では提案手法とは違い,動詞・形容詞とも「再現率中」の類義語対の正解率がかなり高くなっていた.表7.28より,特に動詞ではその傾向にあることがわかる.これは「見定める」と「突き止める」の正解率が高くなっていることから,おそらく概念識別子が1つのみの類義語対に絞らなっかたことが原因として挙げられる.例えば「見定める」では今後の状況を明らかにする場合に,「突き止める」は現在の状況を明らかにする場合に用いる.このことが,人手による判断を容易にさせたと考える.また,形容詞の「だるい」と「けだるい」なども同様である.それ以外にはそれほど提案手法の結果と比べて差異がなかったことより,今後は概念識別子にも着目する必要があると考える.