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評価結果

実験に用いた小説を入力として構築した単語ネットワークの第2階層と第3階層の,ノード数,ノード対数,リンク情報を持つノード対数,リンク情報数を表5.10に示す.



表 5.10: 小説を入力として得られた単語ネットワークのデータ
タイトル 全ノード数(個) 全ノード対(個) リンク情報を持つノード対(個) 全リンク情報数(文)
怪人二十面相 22 86 80 298
こころ 19 85 77 298
吾輩は猫である 20 93 77 305
人間失格 23 86 74 271
銀河鉄道の夜 17 73 60 143
坊ちゃん 22 76 59 198

有益なノード対を調査した結果,6つの小説すべてで,有益な情報を含むノード対を5つ以上確認できた.表5.11から表5.16に有益なノード対として獲得できた結果を示す.表に記載されているリンク情報は,抽出された優先度上位5文のうち,対象のノード対が役立つと判断した例として1文のみを示している.



表 5.11: 小説「怪人二十面相」の有益なノード対および役立つと判断した情報と判断理由
ノードA ノードB リンク情報 判断理由
小林 助手 大探偵明智小五郎には、●小林●芳雄(こばやしよしお)という■少年■助手があります 1a
小林 探偵 この小学生たちは、●小林●芳雄君を団長にいただく、あの少年■探偵■団でありました 1a
明智 小林 ●明智●の少年助手の■小林■芳雄とかいったっけな 2
明智 乞食 ■乞食■に化けた男は、●明智●探偵誘かいのしだいと、赤井寅三を味方にひきいれた理由を、くわしく報告しました 3
盗賊 明智 ■明智■小五郎とばかり思いこんでいた男が、名探偵どころか、大●盗賊●だったのです 3



表 5.12: 小説「こころ」の有益なノード対および役立つと判断した情報と判断理由
ノードA ノードB リンク情報 判断理由
奥さん 心持 男のように判然(はきはき)したところのある●奥さん●は、普通の女と違ってこんな場合には大変■心持■よく話のできる人でした 1a
叔父 自分 父はよく■叔父■を評して、●自分●よりも遥(はる)かに働きのある頼もしい人のようにいっていました 1b
先生 挨拶 ■先生■が私に示した時々の素気(そっけ)ない●挨拶●(あいさつ)や冷淡に見える動作は、私を遠ざけようとする不快の表現ではなかったのである 1b
奥さん 自分 ●奥さん●も■自分■の夫の所へ来る書生だからという好意で、私を遇していたらしい 2
奥さん 様子 帰っても何にもない、あるのはただ父と母の墓ばかりだと告げた時、●奥さん●は大変感動したらしい■様子■を見せました 3



表 5.13: 小説「吾輩は猫である」の有益なノード対および役立つと判断した情報と判断理由
ノードA ノードB リンク情報 判断理由
寒月 ヴァイオリン 「落第の候補者■寒月■君は●ヴァイオリン●の妙手だよ 1a
主人 逆上 前(ぜん)申す通り■主人■は立派なる●逆上●家である 1a
主人 寒月 「そうさな」と■主人■は武右衛門君の哀願に冷淡であるごとく、●寒月●君の探検にも冷淡である 1b
吾輩 主人 ●吾輩●の■主人■は滅多(めった)に●吾輩●と顔を合せる事がない 2
寒月 金田 三角主義の張本■金田■君の令嬢阿倍川の富子さえ●寒月●君に恋慕したと云う噂(うわさ)である 2



表 5.14: 小説「人間失格」の有益なノード対および役立つと判断した情報と判断理由
ノードA ノードB リンク情報 判断理由
自分 道化 そうして●自分●は、この■道化■の一線でわずかに人間につながる事が出来たのでした 1a
自分 煙草 ■自分■が、●煙草●を買いに行くたびに、笑って忠告するのでした 1a
自分 お金 「■自分■でかせいで、その●お金●で、お酒、いや、煙草を買いたい 1b
ヒラメ 自分 その男の顔が、殊に眼つきが、●ヒラメ●に似ているというので、父はいつもその男を●ヒラメ●と呼び、■自分■も、そう呼びなれていました 1b
堀木 座蒲団 ■堀木■は、■堀木■の家の品物なら、●座蒲団●の糸一本でも惜しいらしく、恥じる色も無く、それこそ、眼に角(かど)を立てて、自分をとがめるのでした 1b



表 5.15: 小説「銀河鉄道の夜」の有益なノード対および役立つと判断した情報と判断理由
ノードA ノードB リンク情報 判断理由
パネル 女の子 カム●パネル●ラだってあんな■女の子■とおもしろそうに談(はな)しているし僕はほんとうにつらいなあ 2
硝子 汽車 すきとおった●硝子●(ガラス)のような笛が鳴って■汽車■はしずかに動き出し、カムパネルラもさびしそうに星めぐりの口笛を吹きました 3
パネル 汽車 カム●パネル●ラのうちにはアルコールラムプで走る■汽車■があったんだ 3
汽車 天の川 もうそして■天の川■は●汽車●のすぐ横手をいままでよほど激(はげ)しく流れて来たらしくときどきちらちら光ってながれているのでした 3
停車場 汽車 そのとき■汽車■はだんだんしずかになっていくつかのシグナルとてんてつ器の灯を過ぎ小さな●停車場●にとまりました 3



表 5.16: 小説「坊ちゃん」の有益なノード対および役立つと判断した情報と判断理由
ノードA ノードB リンク情報 判断理由
シャツ 教頭 それでこそ一校の■教頭■で、赤●シャツ●を着ている主意も立つというもんだ 1a
シャツ 馬鹿 お婆さん、あの赤●シャツ●は■馬鹿■ですぜ 1a
山嵐 生徒 淡泊(たんぱく)だと思った●山嵐●は■生徒■を煽動(せんどう)したと云うし 1b
マドンナ シャツ 顔はふくれているが、こんな結構な男を捨てて赤■シャツ■に靡(なび)くなんて、●マドンナ●もよっぼど気の知れないおきゃんだ 2
教頭 山嵐 「●教頭●の職を持ってるものが何で角屋へ行って泊(とま)った」と■山嵐■はすぐ詰(なじ)りかけた 3


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s112054 2017-03-03