Liuら[8]の研究では学生が自分の論文を改訂するための支援の形として自動質問生成(AOG)ツールの開発を行っている. 「この論文の著者は先行研究の考えに反対ですか?」「あなたはこの論文を読んで著者が反対であるという証拠を見つけることができますか?」などの質問を自動作成する. その質問を学生が参考にすることで論文の改訂支援を行っている. 論文を読んで自動質問生成ツールでは, 引用から取得した構文情報や意味情報を基に質問を生成している.
Ptaszynskiら[7]の研究やLiuら[8]の研究は論文を対象とした作成支援を目的に行っている. 論文の作成支援のなかでも, Ptaszynskiら[7]は実験データの自動計算システムにより論文の実験データ作成支援を行っており, Liuら[8]は自動質問生成ツールにより論文作成支援を行っている. それらの研究に対し, 本研究は, 論文の記載必要項目の欠落しているか否かを自動判別することで論文の文章作成支援を行っている. Ptaszynskiら[7]の研究と本研究を比較すると, 論文の実験データの作成支援と論文の文章の作成支援といった作成支援の対象が違っている. Liuら[8]の研究と本研究を比較すると, 自動質問生成ツールを用いた論文作成支援と論文の記載必要項目を利用した論文作成支援といった論文作成支援へのアプローチ方法が違っている.