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「目的」についての具体例

記載必要項目「目的」が欠落している論文として検出された結果のうち人手で正解であると判別した論文の一部を図5.1に示す.
図 5.1: 「目的」について正解であると人手で判別した例
7#7

この例示した論文において, 読み手が想像する研究の目的として以下のものが挙げられる.

しかし, 実際この例示した研究では, 問題点がトレードオフの関係であることをを知ることを目的としていると考えられる. また, 大規模な日本語コーパスで言語モデルの振る舞いを定量的に確認することも目的としている考えられる. さらに, これら2つの目的には, この例で挙げられた2つの問題点を完全に解決する方法の提案に役立てるという目的も存在していると考えられる.

このような例の場合, 本来の研究の目的が単語「目的」などを使用して明記しておらず, 本来の研究の目的でない目的が多数想定されてしまう. その結果, どの目的がその研究においての主目的なのか論文読者が理解し難くなる可能性が考えられる. そういったことが起らないために, 単語「目的」などの表現を用いて研究の目的を明記する必要がある(記載必要項目を補う必要がある)と考え, 文章作成支援に役立っていると判別した.

記載必要項目「目的」が欠落している論文として検出された結果のうち人手で正解でないと判別した論文の一部を図5.2に示す.

図 5.2: 「目的」について正解でないと人手で判別した例
8#8

この例示した論文において, 読み手が想像する研究の目的として以下のものが挙げられる.

この例の研究では, 文パターン辞書の開発にコストがかかるという問題点を解消することを目的としていると考えられる. この論文内に「Xという問題点がある. そこで本研究ではYを行う」という文章が存在していることがわかる. このような文章は前に記述された問題点の解消を行うことを目的として研究を行っていることが容易に理解できる文章が使われている論文であると考える.



OkadaTakuma 2015-03-10