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先行研究との比較

統計翻訳において,同じ語順間の翻訳では翻訳精度が高い傾向にある.しかし,異なる語順間の翻訳では翻訳精度が低い傾向にある.この問題を解決するために,日本語文の単語を並び替えて,英語の語順に近づけてから,統計翻訳を行う研究がされている.

岡崎らの研究では,自動評価と人手評価において,翻訳精度の向上は見られなかった.一方,星野らの研究では,自動評価でスコアの向上が見られた.しかし,人手評価では翻訳精度の向上は見られなかった.そこで,本研究では日本語文を英語の参照文の語順に並び替えてから,句に基づく統計翻訳を行った.実験の結果,自動評価ではスコアの向上が見られたが,人手評価では翻訳精度の向上が見られなかった.

これらの実験結果から,異なる語順間の翻訳で翻訳精度が低い原因は,語順が異なることではないことが分かり,原因が他にあると考える.今後,異なる語順間の翻訳において,翻訳精度を向上させる方法を調査する.



平成28年3月16日