「はが構文」の扱い

「はが構文」は文の分析において判断を誤りやすい文であるので注意を述べる． 以下に，はが構文，および，非はが構文（「*」を表記）の例を示す．

例19

強度部材に用いられる材料は鋼鉄が主流である。

例20*

そのパスポートは私が落としたものだ。

「は格」の前の単語（例19では「材料」），および，「が格」の前の単語（例19で は「鋼鉄」）の係り先が同一のものを「はが構文」という．例20*のように「は格」 の前の単語，および，「が格」の前の単語の係り先が別であれば，「はが構文」 ではないことに注意を要する（図3.1）．

一方，はが構文は（広い意味での）主語と述語の関係が2つ存在することにも注意 を要する．

図 3.1: 「はが構文」と「非はが構文」の例