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主語についての抽出範囲

文中の主部のうちどの範囲までをパターン処理上の主語として抽出 すれば良いかについて考え方を示す.
例16
初期の自動車は手作りのものである。
例16$ '$
初期の自動車は手作りのものである。
例17
これを1本のケーブルで接続できるように端子を1つに まとめたものがD端子である。

もし,主語の抽出範囲を例16の下線部のみとするならば,主語名詞だけでは具体的な実体ではな く,一般的なものを指すため,不適切である.これに対し,もし,述部と対応の取れる程度に 具体的になるように例16$ '$ の下線部を主語の抽出範囲とするならば,主語の抽出範囲 は連体修飾表現までとなる.しかし,例16$ '$ の基準を例17に用いると下 線部のとおりの主語の抽出範囲となり,連体修飾節が接続詞や複数の動詞を含む という長い表現となるのだが,連体修飾節をパターンで全てをマッ チさせても,型名の判定で全て使うとは限らないので,パターンで処理する上では 不要である. したがって,「修飾表現が主語の前にあるか」という判断までを必要としつつ, 例16の下線部を主語の抽出範囲と定める.



2015-03-14