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目次
今田の3分類の是非
複雑な文を分析していると,判断に迷うことがある.また,範疇叙述型は属性
の「種類」や「分野」などの属性叙述型,外延叙述型は属性が「外延」の属性叙
述型と,「3つの分類を全て属性叙述型として扱う」という考え方ができる.
そこで,分類に対する考え方をまとめておく.
- 外延叙述型と属性叙述型は主語の外延を述べるか属性を述べるかの違いが
あり別ものである.
- 範疇叙述型は属性叙述型に含まれるという指摘があるが,主語と述語の相
対性を見ているので別のものと考える.
- 属性叙述型は性質や程度などを表すもの,または,(拡大解釈すると)種
類などを表すものなどがある.
- 例14(程度)
- このカレーは300円だ。
- 例15(種類)
- 電子レンジは電化製品だ。
例14では,述語は主語の価格を表しており,主語と述語に意味的な相対性
はない.例15では,述語は主語の種類を表しており,主語と述語に包含関
係があるため,主語と述語に意味的な相対性があるといえる.
- 文中の主語や述語の抽象度は相対的に見るので,主語のみまたは述語のみ
から抽象度を確定させることはできない.
- ゆえに,拡大解釈をせずに,例15は,範疇叙述型と考える.
以上より,本研究では,分類は今田の3分類とすることに問題ないと考える.
また,範疇叙述型を属性叙述型と外延叙述型の補集合と考えることにする.
2015-03-14