next up previous contents
Next: 問題点 Up: 関連研究 Previous: 鳥バンク   目次


名詞述語文の分類

益岡らは,名詞述語を『動詞と形容詞が単独で述語になるのに対して,名詞は単 独では述語になれない.名詞と結合して述語を作るのが「判定詞」である.』と した[5].そして,名詞述語の機能は,「述部が指し示す集合体に 主部が属する場合(例1)」,「主部と述部が同一のものを指し示す場合(例2)」, および,「主部と述部の間に直接的な論理関係が存在しない場合(例3)」の3つが あるとしている.
例1
源氏物語平安時代の作品だ。
例2
紫式部源氏物語の作者だ。
例3
紫式部だ。
例2は述部を集合と考えると,要素がたったひとつの集合と考えることができる. よって本研究では,例1と例2の名詞述語の機能は同様とする.

今田は,名詞述語文を主語と述語の意味関係から,「主語の帰属する範疇を述語 で述べる文(範疇叙述型)」,「主語の価格や数量などの属性を述語で述べる文 (属性叙述型)」,「内包的概念を表す主語の外延を述語で述べる文(外延叙述 型)」,および,「主語と述語に意味関係が認められない文(その他)」の4つ に分類できるとした[6].今田の分類は,益岡らの分類と比べ,名 詞述語文を網羅している範囲が広いので,今田の分類を基に名詞述語文を扱う. 今田の分類の詳細は第2章に記述する.

0


2015-03-14