第1の成果として,実験により,機械学習を用いる提案手法の正解率(0.87)が 最も頻度の高い語を常に選択するベースライン手法の正解率(0.72)よりも, 高いことを確認した. これにより,今回提案した手法自体が同義語の使い分けに対して有用であると考えられる.
第2の成果として,機械学習での性能に基づき同義語対を 使い分けが必要なものとそれほど必要でないものに分類した. 今回の実験で再現率高に分類したものは特に使い分けが必要であると考えられる. 特に使い分けが必要とされた同義語対に「貯金」と「貯蓄」の対や「賞牌」と「メダル」 などがあった. また,いくつかの同義語対について実際に素性を分析した. 使い分けに役立つ情報を明らかにし,さらにどのような場合に使い分けの必要があるかを明らかにすることができた.