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「衣料」と「衣類」

(正解例1)
売上高の内訳では、紳士・婦人服を中心とする主力の衣料品は、各社とも、比較的高い伸び。
(正解例2)
大阪府警泉大津署の調べでは、倉庫内には電化製品や衣類、毛布などが大量にあり、ほとんどが焼けた。
(誤り例1)
寄せられた募金は医薬品、テント、毛布、衣料、食料などの購入資金に充て、トルコ、イランの難民キャンプに送る。
(誤り例2)
それでも商店には食料も衣類もなく、長い行列の生活が続き、共働きの主婦にはあらゆる負担がのしかかり、「もう耐えられない」と言う。

表: 機械学習の結果(再現率中の例:「衣料」と「衣類」)
  再現率 適合率 総数
衣類 0.63 0.63 106
衣料 0.75 0.75 160


表: 機械学習が参考にした素性(再現率中の例:「衣料」と「衣類」)
衣料 衣類
素性 正規化α値 素性 正規化α値
素性1:品 0.78 素性2:対象語が文頭である 0.70
素性3:aa 0.66 素性1:電気 0.62
素性2:品 0.62 素性1:物品 0.61

再現率中の例として,「衣料」と「衣類」という対がある. この対の語は,EDR日本語単語辞書で概念識別子に0e504aのみが与えられており, EDR概念辞書によるとこの識別子は「体に着るもの」を意味する.

正解例1や表6.6から, 直後に「品」がある場合「衣料」と書く使い分けが存在することがわかる. すなわち,「衣類品」という表現は一般に使わず 「衣料品」という表現が使われる使い分けがある. しかし,その他に目立った特徴はなく,正解例2や誤り例2よりわかるように, 名詞を並列して記述する場合でも,どちらを使用するべきだとは断定しがたい. これらより,この同義語対は,使用方法によっては使い分けを必要とするが, 通常使い分けの必要がないと推測できる.



平成25年2月19日