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研究を始めたばかりの論文を書き慣れていない者は,誤字や脱字,説明不足な表現など論文として不適切な表現を用いがちになる.しかし学生自身でその不適切な文や表現に気づくことは困難である.そこで不適切な表現を検出,修正する支援技術があれば便利である.そのためには学生論文の不適切な表現の事例の収集と分析を行うことが重要である.
そこで本研究では,論文として不適切な表現の収集と分析を行う.
具体的には,論文を執筆した学生の指導担当教員により修正が行われた学生論文を修正後論文,教員による修正が行われる前の論文を修正前論文とし,この二つで差分を取り,不適切と思われる表現を収集する.またここで得られた差分の分類を行い,どのような不適切な修正があるかも分析する.さらに,単語の頻度に基づく分析も行い,学生に用いられやすい不適切な表現の傾向や偏りを分析する.
本研究の主要な点を以下に示す.
- 差分抽出の技術により修正前と後の学生論文から
多くの不適切な表現を抽出した.
その不適切な表現を分類することで,
どのような種類の不適切な表現が学生論文に存在するかを明らかにした(3.2.4節の表3.1).
- 差分に含まれる高頻度の2単語連続を分析することで,
種々の特徴のある傾向を発見した.
例えば,「ている」という表現が修正前の表現に多く存在していた.
この表現は積極性に欠けた他人事のような印象を与える表現であり
修正されたものと思われる。
平成25年2月19日