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分類の結果と考察

3.2.2節の手順に基づき, 差分抽出,分類を行った. 抽出した差分の上位約650個を人手で確認し,分析に有用な差分を258個獲得した. この258個の差分の分類を行った。 分類した不適切な表現の結果を表3.1に示す.

表: 分類の結果
修正項目人物 A B C D E 合計
(表記の修正)            
用語の統一 1         1
その他の表記の統一   1   1 2 4
小計 1 1 0 1 2 5
(語彙表現の修正)            
冗長性 4 5   3 20 32
情報補完・詳細化 9 13 7 13 34 76
大雑把・安全な表現へ 1 5   2   8
適切な表現へ 9 16 5 8 44 82
小計 23 39 12 26 98 198
(文法誤りの修正)            
助詞・接続詞 6 6 3 3 20 38
係る語との対応     2     2
時制 2 1   1 3 7
小計 8 7 5 4 23 47
(文体の修正)            
口語 1     1 3 5
硬い表現の軟化       2 1 3
小計 1 0 0 3 4 8
合計 33 47 17 34 127 258


3.1より, 大きな項目の分類で見ると『語彙表現の修正』が圧倒的に多く,次いで『文法誤りの修正』が多いことがわかった. さらに細かい分類項目で見てみると『適切な表現への修正』,『情報補完・詳細化の修正』,『助詞・接続詞の修正』,『冗長性の修正』が多くみられた. 『適切な表現への修正』が多かった原因としては,学生のような若いものは基本的な知識不足の面から言葉の表現をあまり知らないということに加えて,論文自体を書き慣れていないということもあり,読み手に伝わりづらい表現を多用しがちになってしまうということが考えられる.

『情報補完・詳細化の修正』が多かった原因としては,学生は文そのものを書く機会をあまり経験してこなかったために論文を書くことに慣れていないため情報の欠落した,読み手に対して不親切な文章を書きがちになってしまうということが考えられる.

また『冗長性の修正』は都藤ら[7]の研究でも行われている通り,冗長な表現は論文などに用いるのはふさわしくない表現であり,修正を行う必要がある箇所である.この冗長な表現も差分抽出の結果より,文章を書き慣れていない学生は多用しがちな傾向があるように思われた. 『助詞・接続詞の修正』も学生の国語力や知識不足などの問題から不適切な使用やうっかりミスのような用いられ方がされていた. この分析結果から項目別にみた学生の用いやすい不適切な表現の傾向を知ることができた.不適切な表現としてこれらの要因を検出できるようなれば,論文作成支援への貢献が期待できる.


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平成25年2月19日