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分類の項目

分類に利用する項目の設定には古本ら[1]の「誤りおよび不適切表現の分類」を参考した.分類には大きく4つの項目に分け,さらにそこから詳細な項目へと分類を行った. 以下に本実験で使用した分類の項目を示す.

ーーーーーー4つの大項目ーーーーーー

  1. 表記の修正
  2. 語彙表現の修正
  3. 文法誤りの修正
  4. 文体の修正

    ーーーーーー詳細な項目ーーーーーー

    1. 表記の統一
    2. 専門用語の統一
    3. 冗長性
    4. 情報補完・詳細化
    5. 大雑把・安全な表現へ
    6. 適切な表現へ
    7. 助詞・接続詞
    8. 係る語との対応
    9. 時制
    10. 口語
    11. 硬い表現の軟化

実際に抽出した差分箇所から,設定した分類項目ごとの例文をいくつか掲載する. 例文の見方はアンダーラインを引いている部分が修正前の表現であり,括弧の中の表現が修正が行われた後の表現である.Φは空表現である.

  1. 表記の修正
    1. 表記の統一(漢字・カナ・ひらがな)

      例文:『余分な漢字表現を含む言い回しは,冗長で分かり(→わかり)にくい   』
      解説:同一論文の中でひらがなの「わかる」を用いているので,ひらがなで   統一している.

    2. 専門用語の統一

      例文:『教師あり機械学習手法で(→に)は性能の優れたサポートベクトルマシ   ンを利用する』
      解説:「機械学習」か「機械学習手法」どちらかの表現で統一させている.助   詞の修正もあり。

  2. 語彙表現の修正

    1. 冗長性(文を短く書き換えても大きな意味変化をもたらさないような修正)

      例文:『機械学習を行った場合(→では)あまりよい結果は得られなかった』
      解説:文自体に大きな意味の変化をもたらさずに,より短い表現へと修正し   ている。


      例文:『要約前の文章から得られる情報を用いて文の順序推定を行う手法(→   の)が主な手法である』
      解説:同じ単語や文が二回以上用いられて冗長なため修正.(例文の場合「手   法」が二回用いられているため.)

    2. 情報補完・詳細化(読者に意味が伝わりづらい表現に言葉を補いわかりやすくなるようにする)

      例文:『また,Φ(→副助詞「は」と格助詞「が」に関わる)データの分析を行   うことにより,日本語学習者にとって有用な情報を獲得する』
      解説:どのようなデータを分析したのかを明確にするために情報を補完した.


      例文:『適合率では優るものの(→ベースラインより高かったが,)F値ではベ   ースラインより低かった』
      解説:何に優るのかが書かれておらず,わかりにくい表現になっている.

    3. 大雑把・論文として安全な表現へ

      例文:『対象語列の出現頻度と照合(→を利用)して誤り表現の検出を行う』
      解説:英語でuseの意味をもつ「利用」という語を用いて違和感のない表現に   修正している.


      例文:『素性を拡充することでさらに性能向上が期待できる(→を目指したい   と考えている)』
      解説:論文として指摘を受けにくいような安全な表現へと修正している.

    4. 適切な単語・表現へ(適切な単語や論文の内容に沿った語への書き換えなど)

      例文:『素性を拡充することでより良い精度(→さらに性能)向上を目指したい   と考えている』
      解説:向上と言う語に係る語として,良い精度向上は日本語としておかしい   ため修正している.

  3. 文法誤りの修正

    1. 助詞・接続詞の修正

      例文:『どちら(→を)空白に入れるべきかを推定する』
      解説:「入れる」に係る語として「が」は不適切なため修正している.

    2. 係る語との対応

      例文:『機械学習を用いΦ(→た)格助詞「が」,副助詞「は」の分類を初め   て行った』
      解説:「用い」の係り先として『行った』ではなく「分類」に係ってほしいの   で「用いた」に修正している.

    3. 時制の修正

      例文:『ヒューリスティックルールに加え教師あり機械学習法を利用すること   で性能の改善が可能であることがわかる(→わかった)』
      解説:実験などを行った際の結果なので過去形で表している.

  4. 文体の修正
    1. 口語の修正

      例文:『結果をさらによく(→改善)する方法として次の方法が考えられる』
      解説:口語を論文らしい表現に修正している.

    2. 硬い表現の軟化

      例文:『近年,パソコンやインターネットの普及により,計算機を使って文字   を入力する機会が増し(→増え)ている』
      解説:硬い印象を与える語を柔らかい表現へと修正している.



平成25年2月19日