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おわりに

本研究では差分を用いた学生論文の不適切な表現の収集と分析を行った.その結果『語彙表現の修正』『文法誤りの修正』が多く行われていることがわかった.詳細な項目で見てみると,『適切な表現への修正』,『情報補完・詳細化の修正』,『助詞の修正』が多くみられた. また,差分に含まれる高頻度の2単語連続を分析することで,特徴のある傾向を発見した. 例えば,「〜ている」という表現が「〜た」,「〜した」といった表現に書き換えられている場合が多くあることを発見した. これは「〜ている」といった表現が,積極性に欠けた他人事な印象を読者に与えてしまう表現なため修正されていると考えられる. これらの結果を得る過程で,差分の抽出や2単語連続の抽出に工学的な手法を用いたことから将来的に不適切な表現の検出,修正を行うシステムが開発される際の自動化の支援になれば幸いである. 今後は本研究で得られた知見を活かして,学生論文の作成支援に役立つ技術の開発をしたいと考えている.



平成25年2月19日