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文字通りの意味解析

1文目
「太郎が図書館で本を読む」

マッチしたパターン辞書のエントリーは図4.1である.前節1文目の結果に表示された通りである.

図 4.1: 読むのパターン辞書
12#12

直前のタイミングでは.直前の列を参照しTとなる行の存在性言明を利用する.変数にマッチした単語が代入されている(beforeスロットを参照). このタイミングで存在性言明から読み取られるべき情報は,(太郎,図書館),(本,図書館)である.

最中と完了も同様である(progressスロット,completionスロットを参照).

結論は,「太郎は図書館にいる」,「本は図書館にある」.

2文目
 「太郎が本を借りる」

マッチしたパターン辞書のエントリーは図4.2である.

図 4.2: 借りるのパターン辞書
13#13

直前のタイミングでは,直前の列を参照しTとなる行の存在性言明を利用する.変数にマッチした単語が代入されている. このタイミングでは,場所を表す名詞が入力されていないので,変数にマッチしない(φを表示).ゆえに存在性情報が得られない.

最中のタイミングでは,最中の列を参照しTとなる行の存在性言明を利用する.変数にマッチした単語が代入されている. このタイミングでは,変数にマッチしているので,存在性情報はTであり存在性言明から得られるべき情報は,(本,太郎)である.

完了のタイミングでは,完了の列を参照しTとなる行の存在性言明を利用する.変数にマッチした単語が代入されている. このタイミングでは,場所を表す名詞が入力されていないので,変数にマッチしない.ゆえに存在性情報が得られない.

結論は,「太郎は本を持っている」.

3文目
太郎が家に帰る

マッチしたパターン辞書のエントリーは図4.3である.

図 4.3: 帰るのパターン辞書
14#14

直前のタイミングでは,直前の列を参照しTとなる行の存在性言明を利用する.変数にマッチした単語が代入されている. このタイミングでは,場所を表す名詞が入力されていないので,変数にマッチしない.ゆえに存在性情報が得られない.

最中のタイミングでは,最中の列を参照しTとなる行の存在性言明を利用する.変数にマッチした単語が代入されている. このタイミングでは,場所を表す名詞が入力されていないので,変数にマッチしない.ゆえに存在性情報が得られない.

完了のタイミングでは,完了の列を参照しTとなる行の存在性言明を利用する.変数にマッチした単語が代入されている. このタイミングでは,変数にマッチしているので,存在性情報はTであり存在性言明から得られるべき情報は,(本,太郎)である.

結論は,「太郎が家にいる」,「本が家にある」.



root 2015-03-17