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素性の分析

本研究で使用した素性のうちどの素性が文の順序推定に有用かを確認する. 具体的には,CASE3において,素性を一つ取り除いた場合と,素性を全て使用した場合の正解率を比較する. 素性を一つ取り除いた場合の正解率と,全ての素性を用いた場合の正解率との差を表[*]に示す.

表: 素性を取り除いた場合の正解率
取り除いた素性 正解率
f1 0.7211 -0.0039
f2 0.7226 -0.0024
f3 0.7251 +0.0001
f4 0.7251 +0.0001
f5 0.7212 -0.0038
f6 0.7223 -0.0027
f7 0.7243 -0.0007
f8 0.7201 -0.0049
f9 0.6587 -0.0663
f10 0.7172 -0.0078
f11 0.7240 -0.0010
f12 0.7241 -0.0009
f13 0.7241 -0.0009

[*]のように, f9の素性を使用しない場合正解率が極端に落ちることがわかる. f9が特に文の順序推定において重要であることがわかる. f9を使用すると推定に成功するが, f9を使用しないと推定に失敗する例を以下に示す.
f9が成否に関わる例
文1:そこで,ドルを使ったのが始まりだ.
文2:その後一ドルは三六〇円から一〇〇円まで下がり続けた.

正解の文順は「文1$ →$ 文2」であるのに対し, f9を使用しない場合「文2$ →$ 文1」であると推定した. f9の素性は2文目の助詞「は」までの自立語と1文目の自立語(1文目に助詞「は」がない場合)に 同じ語があるかを調べるものである. 上記の例文では単語「ドル」が2文目の助詞「は」までと1文目の両方に存在するため, f9により正しく文の順序を推定できたものと思われる.



平成25年10月13日