next up previous contents
次へ: 謝辞 上へ: syuron_honron_M12T2020H 戻る: 夏と冬以外の状況への対応   目次

おわりに

本研究では,情緒推定精度を向上させるため,評価極性を算出する際にSO-score算出式を拡張し,極性表現対を可変化し,SO-score算出の際のコーパスも可変化するという方法で改良を行った.

極性表現対を収録した極性表現対知識ベースを作成することにより,名詞句の種類,状況,判断条件を考慮した極性表現対の取得が可能になった.

そして,名詞句の評価極性の算出精度を評価した結果,テスト名詞句293語に対し,従来手法(極性表現に``良い'',``悪い''を使用)では一致数が204件であったが,提案手法では215件と11件増加し,従来手法に比べて精度が0.70から0.73に向上した.

また,評価極性を用いた情緒推定の性能を評価した結果,テストデータ293個に対し,従来手法(極性表現に``良い'',``悪い''を使用)で出力された情緒336個のうち一致したものは133個となった.一方,提案手法で出力された情緒311件のうち一致したものは139個となった.これはつまり,より少ない出力でより多い一致数を得たということであり,精度が向上している.しかし,精度の向上は0.42から0.46という結果であった.

今後の課題は,本手法をより多くの状況,名詞の種類に適応させること,状況を入力文やその前後文から自動で判別することである.



平成26年3月7日