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評価極性を用いた判断条件の判定

判断条件の真偽判定について説明する. 本手法では,判断条件の接近乖離の方向性と,判断条件の第二引数$NP_{y}$の評価極性から,判断条件の真偽を判定する.

判断条件が接近の関係で名詞句が好評極性の場合と,判断条件が乖離の関係で名詞句が不評極性の場合を$T$とする.また,判断条件が接近の関係で名詞句が不評極性の場合と,判断条件が乖離の関係で名詞句が好評極性の場合を$F$とする.$T$の時は判断条件が成り立つものとし,情緒を出力させ,$F$の時は判断条件が成り立たないものとし,情緒の出力を抑制する(情緒名《なし》を出力).表3.5,表3.6,表3.7に,各判断条件の真理値表を示す.

表: 判断条件「生理・近」,「生理・離」の真理値表
$NP_{y}$ 生理・近($NP_{x}$, $NP_{y}$) 生理・離($NP_{x}$, $NP_{y}$)
好評 $T$ $F$
不評 $F$ $T$



表: 判断条件「目標実現・近」,「目標実現・離」の真理値表
$NP_{y}$ 目標実現・近($NP_{x}$, $NP_{y}$) 目標実現・離($NP_{x}$, $NP_{y}$)
好評 $T$ $F$
不評 $F$ $T$



表: 判断条件「対人関係・近」,「対人関係・離」の真理値表
$NP_{y}$ 対人関係・近($NP_{x}$, $NP_{y}$) 対人関係・離($NP_{x}$, $NP_{y}$)
好評 $T$ $F$
不評 $F$ $T$


$T$が成り立つ例として,「私は美味しいご飯を食べる。」という入力文があったとする.この文は図3.2のレコードにマッチする.この時,従来手法では具体的な格要素が含まれる判断条件として「生理・近(私, ご飯)」が得られる.しかし,提案手法では名詞句$NP_{y}$として``美味しいご飯''が用いられるため,「生理・近(私, 美味しいご飯)」が得られる.``美味しいご飯''の $SO\mathchar \lq -score$の値は正なので,好評極性が付与される.そして表3.5を参照すると$T$が成り立つため,情緒名《好ましい》を出力する.

図: 用言「食べる」のレコード
\begin{figure}\begin{center}
\begin{tabular}{l} \hline
◆日本語パターン:$N1$が$...
...象:$N2$\ ◆情緒名:《好ましい》\\ \hline
\end{tabular}
\end{center}\end{figure}

$F$が成り立つ例として,「私は不味いご飯を食べる。」という入力文があったとする.この文でも同様に判断条件「生理・近(私, 不味いご飯)」が得られる.``不味いご飯''の $SO\mathchar \lq -score$の値は負なので,不評極性が付与される.そして表3.5を参照すると$F$が成り立つため,情緒名《好ましい》の出力を抑制する.

これにより,``美味しいご飯''を食べることは《好ましい》と出力され,``不味いご飯''を食べることは《好ましい》と出力されない.



Sho Takemoto 平成24年3月13日