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おわりに

本研究では,提案手法として対訳句コーパスを日英対訳コーパスに追加したコーパスを学習データとして使用し,統計翻訳を行った. 対訳句コーパスとして鳥バンクと英辞郎を用い,単文コーパスと重文複文コーパスに対して日英統計翻訳と英日統計翻訳をそれぞれ行った. したがって合計8種類の翻訳実験を行った.

その結果,全ての自動評価結果において,提案手法はベースラインよりも翻訳精度が向上した. また,人手評価法においてもベースラインより提案手法の翻訳精度が良いことを示すことができ,提案手法の有効性を示すことができた. 特に重文複文コーパスの翻訳実験において,鳥バンクを用いた提案手法はベースラインや英辞郎を用いた提案手法と比較して大幅に翻訳精度が向上した.

鳥バンクを用いた提案手法の翻訳精度向上の原因として,英辞郎には無い動詞の活用が考えられた. そこで英辞郎の日本語フレーズにおいて,末尾単語が動詞であるフレーズを11種類の活用形に活用させ,学習データに追加し翻訳実験を行った. しかし,自動評価結果と人手評価結果から翻訳精度の向上は見られなかった.

また,自動評価結果と人手評価結果が異なっている翻訳実験について,その出力文を調査した. その結果,新たな自動評価法を考案しなければならないことがわかった.



平成25年2月12日