以下に「合う」という用言について例を示し,結合価パターンにより語義が区別されることを説明する.
#1 1(495 河川)が 2(495 河川)と 合う
→1 join 2(結合動作)
#2 1(*)が 2(2449 条件 1176 需要 1361 願望・失望)と/に 合う
→1 meet 2(属性)
#3 1(3 主体)が 2(3 主体)と 話が 合う
→1 and 2 has common topics(相対関係)
「合う」という用言には,34種類の結合価パターンが存在する. ここには,そのうちの3つが示されている. 1や2は名詞(句)とマッチする変数である. 変数の後の数字とラベルは,変数にマッチしてもよい名詞の意味属性である. たとえば,「太郎が入社の条件に合う」という文とマッチするパターンは,#2である. 「太郎」は「河川」でないのでこの文は#1にマッチしない. #2は「が格」も「に格」もマッチするため,文全体がこのパターンにマッチする. #3は「話が合う」という字面が必須であるためこの文はマッチしない.
日英機械翻訳を精度良く行うために語義の分解能が設定されているが, 英語パターンの後ろに表示している「用言意味属性」からわかるとおり, 日本語の語義を大きく逸脱するレベルの分解能ではない. ゆえに,結合価パターンの1つずつについて用言の語義をパターンから解釈することができる.