図5.1を見ながら説明を行う. まず,入力文の形態素解析を行う. 品詞コード,単語の基本形,および,文節境界を解析する. 次に意味属性コードを付与する.
文型パターンの検索は,検索プログラムを使用する. は,入力文に適合した全てのパターンについて適合結果を出力し, かつ,1パターンにつき複数の適合の仕方があるときは, その全ての組合せについて出力する.
意味属性の充足状況の追加を行う. は意味属性情報を検査しないので,この段階で制約が満たされているか否かのフラグを立てる. 次に,情緒属性の追加を行う. 適合した文型パターンに付与されている情緒属性を,情緒属性付き結合価パターン辞書より検索する. 本研究における改良点の1つとして,この情緒属性に判断条件を追加した. こうして,情緒の候補が作られる.
適合結果のソートにおいて,意味属性制約,情緒属性,および,適合の仕方から, 特徴量を算出し,適合結果の順位付けを行う.
ここから先の処理が残り2つの改良点である.
まず,適合結果の中で順位が最も良い情緒属性が付与されているパターンに対し,対称な情緒属性の追加を行う. 具体的には,第3.3節の対称な情緒属性の調査結果(表3.2)から, ・に分類される情緒原因を持つ用言(結合価パターン)に対し, 対称な情緒属性の追加を行う. 元々付与されている情緒名・判断条件に対して, 第4.1節で示した対称な情緒名および,判断条件を追加する(表4.1,表4.2). その際,情緒主・情緒対象は既存の情緒属性と同じものを追加する.
最後に判断条件の真偽決定を行う. 判断条件の命題関数の真偽を情緒主と関連事物との関係から決定する. 情緒主と関連事物との関係は「接近・乖離・どちらでもない」から設定されているものとする. 情緒主と関連事物との関係から,判断条件が真の場合,得た情緒名などの情緒属性を出力し, 偽の場合は,情緒名《なし》を出力する(情緒の出力を抑制する). 得た結果から,以下に示す通り,出力をまとめる.