一般名詞意味属性は,単語を意味的用法により階層的に分類,体系化したもので ある.約40万の単語を12段の木構造により2,710の意味属性に分類している. 一般名詞意味属性では,上位の意味属性の性質を下位の意味属性に継承している. したがって,制約条件として中位の意味属性が与えられている場合でも,その意 味属性の下位にあたる名詞は制約を満たす.
一方,結合価パターンは,用言としての意味的用法が用言意味属性により示され ている.用言意味属性は「用言が持つ動的属性の種類」の観点から分類した36種 類の属性体系である.このことから,パターンによる意味解析ができるといえる.
例えば,用言「読む」を検索すると,図2.1に示される結合価パター ンが得られる.以下の結合価パターン(1)と(2)は文法レベルでは同じ記述である が,名詞変数には意味属性制約により異なる名詞が適合する.その結果,用 言に対する意味が異なることを表している.