入力文:アーサー王子が両親をラビック王に殺される。 |
出力文:アーサー王子が [ラビック王が 両親を 殺す]。 |
正解文:ラビック王がアーサー王子の両親を殺す。 |
ここで使用したパターンは次の通りである.
能動パターン: |
受動パターン: |
意味属性制約: |
入力文の格要素として考えられる名詞は「アーサー王子」,「(アーサー王子の )両親」,「ラビック王」の3つである.しかし,動詞「殺す」の全ての能動パ ターンは,2つの格要素しか選択できない.そのため,入力文の格要素を, 能動文として意味的に正しく変換できなかった.
この格要素の個数に変化を要する問題は,庭によって述べられた「の受身」 と対応していると考えられる.能動文で動作の対象となる補語を「の」 の形で修飾している要素が、受身文の「が」になる型のものである. 庭が述べた規則では,格要素が3つの文に対して適用されているが,パターンに 定義されている格要素が3つ未満の場合と対応できていなかった.
入力文を正しく能動文に変換するならば,日本語語彙大系に以下の結合価 パターンが必要になる.なお,名詞変数を囲む「」 は,任意のパターン記述要素を表す記号である.
能動パターン: |
受動パターン1: |
受動パターン2: |
意味属性制約: |
しかし,能動パターンの変形までは本研究の対象としないため,本研究ではこの誤 り事例に対策を設けない5.1.