まず,形態素解析によって入力文の単語の品詞を解析し,名詞に一般名詞意味属 性番号を付与する.以下に示す図4.1では,形態素解析の結果,名詞 「太郎」と「花子」は,「人」という名詞意味属性における下位の「男」と「女」 を表す意味属性番号がそれぞれ付与されている.
次に,受動パターンと,入力文の名詞「太郎」,「花子」の格助詞,そして,述 部を照合する. 今回,入力文に対して2件のパターン(図4.2)が照合された.
そして入力
文の名詞がパターンと適合するかを意味属性制約により判断する.
名詞「太郎」は,パターン番号9,10の名詞変数と適合する.
一方,名詞「花子」はパターン番号10における意味属性制約(72人間〈親族関係〉)
を充足していない.しかし,パターン番号9の意味属性制約を充足している.
よって入力文は2つの名詞変数の制約を充足するパターン番号9の受動パターンと
適合し,感情動作を表す文であると解析される.
変換規則により作成された受動パターンは,能動パターンと対になっている.
受動パターン: |
能動パターン: |
受動文の意味解析の結果,適合した受動パターンと対になる能動パターンにより, 能動文の生成ができる.
入力文:花子が太郎に愛される。 |
出力文:太郎が花子を愛する。 |