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解析の様子

受動文「太郎に花子が愛される。」の意味解析の様子を示す.

まず,形態素解析によって入力文の単語の品詞を解析し,名詞に一般名詞意味属 性番号を付与する.以下に示す図4.1では,形態素解析の結果,名詞 「太郎」と「花子」は,「人」という名詞意味属性における下位の「男」と「女」 を表す意味属性番号がそれぞれ付与されている.

図 4.1: 形態素解析結果
\begin{figure}\centering
\begin{tabular}{l} \hline
1. /太郎(1900,{NI:48,NI:464,...
...6. +れる(7116)\\
7. +。(0110)\\
8. /nil\ \hline
\end{tabular}
\end{figure}

次に,受動パターンと,入力文の名詞「太郎」,「花子」の格助詞,そして,述 部を照合する. 今回,入力文に対して2件のパターン(図4.2)が照合された.

図 4.2: パターンの検索結果
\begin{figure}\centering
\begin{tabular}{l} \hline
パターン番号: 9 \\
受動・...
...イエリキク。モ)$ \\
ヘムクターユフ」ツータュ。ァ 31エカセ霪虻釟\
\hline
\end{tabular}
\end{figure}

そして入力 文の名詞がパターンと適合するかを意味属性制約により判断する. 名詞「太郎」は,パターン番号9,10の名詞変数$N1$と適合する. 一方,名詞「花子」はパターン番号10における意味属性制約(72人間〈親族関係〉) を充足していない.しかし,パターン番号9の意味属性制約を充足している. よって入力文は2つの名詞変数の制約を充足するパターン番号9の受動パターンと 適合し,感情動作を表す文であると解析される.

変換規則により作成された受動パターンは,能動パターンと対になっている.

受動パターン: $N1に/によって/から N2が/を '愛する'.reru$
能動パターン: $N1が N2を 愛する$

受動文の意味解析の結果,適合した受動パターンと対になる能動パターンにより, 能動文の生成ができる.

入力文:花子が太郎に愛される。
出力文:太郎が花子を愛する。



平成22年2月11日