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目次
情緒推定では,原因文の収集自体が重要な課題である.
本研究では,Webコーパスから,因果表現文からの収集と共起頻度に基づいた収
集の2つの方式で情緒生起原因を収集することができ
た.億文から,因果表現文の収集は,Positiveの文文,Negativeの文文,合
計文を収集し,その中からの「2つ組」を得ることができた.共
起頻度に基づいた収集では,億文からPositiveの文文,Negativeの文文,合
計文を収集し,その中からの「2つ組」を得ることができた(4つ
の名詞「写真」,「店」,「家」,および,「車」についてそれぞれに対する動
詞の組合せについて収集).因果表現文によって収集した「2つ組」の中は,
割以上が頻度
である組合せであったため,信頼性が確保できなかったが,因果関係の文法
構造に着目した収集は必要であると考えられる.また,共起頻度に
基づいた収集で得た2つ組の評価極性値によって,Negative傾向の名詞よりも
Positive傾向の名詞については直感的に同意しやすい見解が得られた.
収集方法自体に新規性はないが,
情緒推定技術の重要な言語資源の確保,および,
言語の意味理解に関する知見獲得のために,
今後も収集と考察を続ける必要があると考えている.
平成24年3月20日