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目次
HMMにはスペクトルパターンの表現方法によって二種類に分類される.また両方
の中間的な性質を持ったHMMがある.以下にそれぞれの特徴を示す.
- 離散分布モデル(離散HMM)
-
出現されるスペクトルパターンは,有限個のシンボルの組合せで表
現される.出現確率は,スペクトルパターンのクラスタ化(ベクト
ル量子化)によって代表スペクトルパターン(符号ベクトル)を生成
し,各符号ベクトルの出現確率の組合せによって表す.
- 連続分布モデル(連続HMM)
-
出現するスペクトルパターンは,連続値で表現される.出現確率は,
単一ガウス分布(正規分布),または混合ガウス分布が用いられ,パ
ラメータの自由度を減らすために無相関ガウス分布(Diagonal)が用
いられることが多い.
- 半連続分布モデル(半連続HMM)
-
連続分布モデルと離散分布モデルの中間の性質を持つ.これは連続
分布モデルにおける混合ガウス分布を,全てのモデルの全ての状態
で共通にし,各分布の重みだけを変えるようにしたものである.結
び混合(tied-mixture)分布モデルとも呼ばれる.離散分布モデルに
おける各符号化ベクトルに確率分布を持たせたものということもで
きる.
実際の音声認識では,対象に応じて適切に状態数やモデルを決定する必要がある.
モデルの自由度を大きくすれば,きめ細かい変動が表現できるが,推定すべきモ
デルパラメータが多くなり,推定精度が悪くなる.次章では簡略化したHMMの例
を示す.
平成25年10月13日