次に,切り出した音節素片に対しFFT(離散高速フーリエ変換)を行い,パワーを 求める.図3.10にそれぞれの周波数のパワースペクトルを示す. y軸がパワーを示し,x軸が周波数を示している.図3.10より,パ ワーが最大時の周波数を得ることができる.表3.2は求めた最 大パワーとその時の周波数を求める時に用いたデータである.
data number : | 2 exp 12 = 4096 |
frequency resolution(hz) : | 3.906250 |
frequency(hz) : | 195.312500 |
max power : | 282121.442077 |
initial phase(rad) : | 1.595435 |
1 period length(ms) : | 5.120000 |
1 period point : | 81.920000 |
表3.2において,data numberはFFTの窓長の離散値におけるポ イント数を示している.FFTは,2のX乗(X=0,1,2,・・・)のデータ数しか入力値 として扱うことができない.そのため,音声のデータ数が2のX乗でなければ,2 のX乗に足りないデータを0で補うことにより2のX乗として入力する.frequency resolution(hz)は,周波数分解能を示している.frequency(hz)は,図 3.10におけるパワーが最大となる周波数を示している.そして, 最大のパワーの値は,max powerで示されている.パワー最大の周波数から初期 位相を求めることができる.初期位相は,initial phase(rad)で示されている. そして,最後に1周期の波長(ms)と,1周期の波長の離散値がそれぞれ1 period lengthと1 period pointに示されている.