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情緒属性付き結合価パターン辞書のレコード構造

本辞書の1レコード構成は,「日本語の結合価パターン」 とそれに対応する「英語パターン」, 「一般名詞意味属性制約」,そして,「情緒属性」である. 図2.4に例として「受け取る」という用言のレコードを示す. 情緒原因 〈獲得〉は情緒 《好ましい》の生じる原因の一つである.〈獲得〉は単なるラベル名であ り,具体的には「目標実現に必要な物事を努力して手 に入れた」という特徴を指す.図2.4のパターンと意味属性制約を用 いることで語義が解析されるのだが,そ の語義は下線部しか対応していない.そこで,下線部以外の要因を カバーするように判断条件「目標実現・近($N$1, $N$2)」を追加した.

図 2.4: 用言「受け取る」のレコード
\begin{figure}\centering
\fbox{
%\footnotesize
\begin{tabular}{l}
日本語パタ...
...N1$\\
\end{tabular} }
\par
~\\
\vspace{-2mm}
\end{tabular}}
\end{figure}

判断条件は命題関数であり,引数に入力される格要素によって真偽が決まる. 例えば,「サラリーマンが給料を受け取る」という文において,判断条件は 「目標実現・近(サラリーマン, 給料)」と単一化される. この判断条件が成立であると判定するには, この述語を「サラリーマンは給料を必要としており,強く手 に入れようとする」と暗に解釈し,この傾向の強さが常識的に認めら れる必要がある.

こうした常識は,人間の場合,日常生活で養われている.しかし,計算機の場合, 常識を手作業で数値化したり,ブログなどから自動収集したりすることで処理す ることになる.



平成23年3月9日