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判断条件の問題点

従来の判断条件は,「対人関係」においてのみ,二者の「接近」と「解離」とい う方向性を区別するために,「対人関係・近」と「対人関係・離」が設けられて いた.しかし,「生理」と「心理」と「目標実現」においては,その区別が無かっ た.そのため,判断条件の運用に矛盾が生じるという問題がある.

例えば,「子供がおもちゃをもらった。子供がおもちゃを処分した。」という 文章において,1文目は図3.1のレコード, 2文目は図3.2のレコードにそれぞれ適合する.

この子供がおもちゃを欲しがっていたとすると, 「目標実現(子供, おもちゃ)」が成立する. よって,この子供はおもちゃの獲得によって 何らかの目標を達成すると判断でき, 情緒《喜び》が推定されることは自然である.

また,2文目においても同様に「目標実現(子供, おもちゃ)」が成立し, 情緒《喜び》が成立するのだが,「欲しがっていたおもちゃ を処分して喜んだ」という推定になり,2文目の推定は不自然になってしまう.

3.2のパターンが有効なのは,例えば「主婦がゴミ を処分する」のように,不要なものを対象とする場合である. したがって,2文目に対しては「《喜び》とは言えない」と出力したい.

ゆえに, 図3.1の場合,《喜び》が推定されるためには, 「子供」と「おもちゃ」の関係が「接近」の方向性 であることを判断条件で確認し, 図3.2の判断条件の場合,《喜び》が推定されるためには, 「子供」と「おもちゃ」の関係が「解離」の方向性であることを判断条件で確認する 必要がある.

図 3.1: 判断条件が問題となる例1
\begin{figure}\centering
\begin{tabular}{l} \hline
◆結合価パターン:$N$1が$N$...
... \end{tabular} \begin{flushright}
\end{flushright} \vspace{-8mm}
\end{figure}

図 3.2: 判断条件が問題となる例2
\begin{figure}\centering
\begin{tabular}{l} \hline
◆結合価パターン:$N$1が$N$...
... \begin{flushright}
\end{flushright} \vspace{-8mm}
\vspace{5mm}
\end{figure}



平成21年3月19日