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フーリェ変換

フーリェ変換とは,時間や空間座標が横軸を取る関数を,周波数が横軸を取る関数 に変換する事ができ,よって,入力関数をその周波数成分の連続スペクトルに分 解することができる.

従って,理工学分野で広く利用されていて複素フーリェ係数 をスペクトルという.

具体的には,複素フーリェ係数を分光法におけるスペクトル解析やX線散乱実験 などの解析,音声のデータの解析に利用されている.

複素フーリェ係数を$ c_n$ ,周期T = 2L(L $ >$ 0)の周期関数をf(x))とする.関数 f(x)を複素フーリェ級数に展開すると,次の(1),(2)式のようになる。

$\displaystyle f(x) = \sum^{\infty}_{n = -\infty} c_n e^{\frac{in\pi x}{L}}$ (1)

$\displaystyle c_n = \frac{1}{2L}\int_{-L}^{L} f(y) e^{-\frac{in\pi x}{L}}dy$ (2)

(2)式に(1)式を代入すると,次のようになる.

$\displaystyle f(x) = \sum^{\infty}_{n = -\infty} [\frac{1}{2L} \int_{-L}^{L}f(y) e^{-\frac{in\pi x}{L}}dy]e^{\frac{in\pi x}{L}}$ (3)

しかし,Lを無限大に近づけるために,各周波数を$ \omega_n$ とすると,

$ \omega= \frac{n\pi}{L}$ $ \delta\omega = \omega_n - \omega_{n-1} = \frac{\pi}{L}$

と置くと,(3)式は次のようになる.

$\displaystyle f(x) = \sum^{\infty}_{n = -\infty} [\frac{1}{2L} \int_{-L}^{L}f(y) e^{-\frac{in\pi x}{L}}dy]e^{i\omega_n x}\Delta\omega$ (4)

ここで,Lを無限大に近づけると,(5)式のリーマン積分の定義より,和が積分に 変化する.

$\displaystyle \lim_ {\Delta\omega \to 0}\sum^{\infty}_{n = -\infty} F(\omega_n)\Delta\omega = \int^{\infty}_{-\infty} F(\omega)d\omega$ (5)

従って,次の式を得ることができる.

$\displaystyle f(x) = \frac{1}{2\pi} \int^{\infty}_{-\infty} d\omega \int^{\infty}_{-\infty}f(y)e^{-i\omega(y-x)}dy$ (6)



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平成21年3月17日