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日英翻訳の結果

日英翻訳のOpenテストデータには,単文1,000文及び重文複文1,000文を用いる. プログラムで自動作成したフレーズテーブルを用いたベースラインと, 翻訳対を追加した提案手法の翻訳精度の評価を表5.3に示す. 尚,表中の値はBLEUの評価値である.
=1cm
表 5.3: 日英翻訳の実験結果(テストデータ1,000文)
テスト文 評価法 ベースライン 提案手法
単文 BLEU 0.125 0.130
  METEOR 0.389 0.404
重文複文 BLEU 0.077 0.080
  METEOR 0.296 0.303

結果から,単文,重文複文のいずれの翻訳においても提案手法の翻訳精度が向上 していることが分かる. 単文の翻訳結果の例を表5.4(提案手法により良くなった例),表5.5(翻訳結果が 変化しなかった例),表5.6(提案手法により悪くなった例)に示す.

=3cm
表 5.4: 単文の翻訳結果 提案手法により良くなった例
提案手法により良くなった例1
入力文:子供 達 は 窓 ガラス を 割っ た 。
正解文:the children broke the window panes .
ベースライン:the children fell below the windows .
提案手法:the children broke the window .
提案手法により良くなった例2
入力文:彼 は 4月 1 日 付け の 新聞 を 探し た 。
正解文:he was looking for the april 1 newspaper .
ベースライン:he is in the newspaper for april 1 .
提案手法:he is looking for a newspaper in april 1 .
提案手法により良くなった例3
入力文:そんな はず は ない 。
正解文:it's impossible .
ベースライン:it is not impossible .
提案手法:it can not be .

例1は提案手法の翻訳の方が``窓を割った''という部分が伝わりやすくなっ ている.例2は``探した''が``looking for''と翻訳されたことにより提案手法の 翻訳結果の方が適切である.例3はベースラインの翻訳結果が入力文と反対の意 味であるのに対して,提案手法の翻訳結果は入力文と同じ意味になっていること が分かる.


表 5.5: 単文の翻訳結果 翻訳結果が変化しなかった例
=2.5cm \scalebox{1}{
\begin{tabular}{l}\hline \hline
\multicolumn{1}{c}{翻訳結果が変化ぎ..
...
提案手法:the garden is well taken care of her . \\ \hline \hline
\end{tabular}}


ベースラインの翻訳結果と,提案手法の翻訳結果の間に変化がないことが分 かる.


表 5.6: 単文の翻訳結果 提案手法により悪くなった例
=2.8cm \scalebox{1}{
\begin{tabular}{l}\hline \hline
\multicolumn{1}{c}{提案手法により握..
... the case . \\
提案手法:the court ordered the . \\ \hline \hline
\end{tabular}}


例1はベースラインでは翻訳されていた``好きな時に''の情報が提案手法では無 くなっていることが分かる.例2は提案手法も間違ってはいないが,ベースライ ンの方がより正確な意味となっている.例3は提案手法では何を言い渡したのか の情報が無くなっていることが分かる.

重文複文の翻訳結果の例を表5.7(提案手法により良くなった例),表5.8(翻訳結 果が変化しなかった例),表5.9(提案手法により悪くなった例)に示す.


表 5.7: 重文複文の翻訳結果 提案手法により良くなった例
=1.1cm \scalebox{1}{
\begin{tabular}{l}\hline \hline
\multicolumn{1}{c}{提案手法により流..
...wn old , but i want to stay with a beautiful .
\\ \hline \hline
\end{tabular}}


例1はベースラインでは``ノックの音が聞こえない''と間違った翻訳であるのに 対して,提案手法の翻訳では入力文の意味とほぼ同じ内容になっていることが分 かる.例2は``会社を休んだ''の翻訳が提案手法の方が意味が通りやすくなって いることが分かる.例3も同様に提案手法の方が意味が通りやすくなっている.


表 5.8: 重文複文の翻訳結果 翻訳結果が変化しなかった例
=1.1cm \scalebox{1}{
\begin{tabular}{l}\hline \hline
\multicolumn{1}{c}{翻訳結果が変化ぎ..
...手法:i was so ぜんぶ was delicious , so i have to eat . \\ \hline
\end{tabular}}


ベースラインの翻訳結果と,提案手法の翻訳結果の間に変化がないことが分 かる.


表 5.9: 重文複文の翻訳結果 提案手法により悪くなった例
=0.8cm \scalebox{1}{
\begin{tabular}{l}\hline \hline
\multicolumn{1}{c}{提案手法により握..
...:today , the strong wind began to rain , so it . \\ \hline \hline
\end{tabular}}


例1は提案手法の翻訳では入力文の意味が通らなくなってしまっていることが分 かる.例2はベースラインよりも分かりにくい翻訳になっている.例3は ``the strong wind''が主語となり,入力文の翻訳として不適切になっているこ とが分かる.


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平成21年3月17日