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文型パターン辞書

パターン翻訳方式で使用する文型パターン辞書について説明する.文型パターン は,日本語及び英語の言語表現を表現パターンとしてとらえ,日本語から英語へ の対応付けがなされている.日本語表現パターンは,非線形言語モデルに基づき, 日本語の非線形な表現を対象に,その中に含まれる線形な要素を汎化し,パター ン化したものである.また,英語パターンは,日本語表現パターンの意味に対応 した表現を記述したものである.日本語パターンと英語パターンはいずれも字面, 変数,関数,記号の4種類の要素を使用して記述される.このうち,字面と変数 はそれぞれ非線形部分と線形部分を表す.関数と記号は,字面と変数で表現され た基本パターンに条件を指定し,また,適合範囲を拡大させるために使用される. 変数には表現範囲の大きさにより単語,句,節の3レベル がある.また,文型パ ターンにも,使われる変数の大きさより3レベルがある.単文文型パター ン辞書については単語レベルである.図2.1に日英原文とパターンの例を示す.

図 2.1: 文型パターン辞書の一部
\begin{figure}\vspace*{1em}
\begin{center}
\begin{tabular}{ll}
\hline
日本語原文...
...has an excellent {\it N}3.\\
\hline
\end{tabular}\end{center}\par\end{figure}

この例の日本語文「この太鼓は響きが良い。」のうち, 日本語パターンでは, 字面部分である「は」「が良い」が非線 形要素として表現されており,「こ の」,「太鼓」,「響き」は 線形要素として変数で表現されている.これに対 し,英語パターンでは,非線形要素「〜は〜が良い」は「〜 has an excellent 〜 」として, 線形要素は日本語パターンと同番号の変数として対応付けられて いる.



平成21年3月25日