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接続表現における属性

横森[4]や那須川ら[5]は情緒の極性を「反転」させる接 続表現が存在すると示唆している.一方で,接続表現の中には,前節や後節に表 される情緒を特定できる接続表現も存在すると本研究では考えている.

このことから,接続表現における属性には「情緒の保持」,「情緒の反 転」,「情緒の共起」の3通りがあると考える.

情緒の保持

「情緒の保持」とは「情緒の極性が前節と後節で同じである」とする.
「お年玉を貰っ喜ぶ」という文例では接続表現「て」に関して,前節 「お年玉を貰っ」からは《Positive》な情緒が,「喜ぶ」からは《Positive》な 情緒がそれぞれ推定できる.

情緒の反転

「情緒の反転」とは「情緒の極性が前節と後節で異なる」とする.
「嬉しい反面寂しい気もする」という文例では接続表現「反面」に 関して,前節「嬉しい」からは《Positive》な情緒が,「寂しい気もする」 からは《Negative》な情緒が推定できる.

情緒の共起

「情緒の共起」とは「前節,または/かつ,後節に,文脈によらず特定の極性の 情緒が表れる」とする.
「寝たおかげで頭の痛さがふっ飛んだ。」という文例では接続表現「おか げで」に関して,後節「頭の痛さはふっ飛んだ。」から《Positive》な情緒が推 定できる.



Nakamiti 平成22年2月13日