先行研究[1]では,話者が,主節が省略され文末に「けど」がきて いる表現[Pケド]を用いたときにどのような心的態度にあるかについて考察して いる.具体的な心的態度は発話内容Pに依存するが,[Pケド]という表現によって 心的態度の傾向を見ることができると結論付けられている.
先行研究[2]では,文脈において情緒の正負を反転させる際には 「のに」や「けど」といった接続表現で明示することが多い点に着目して,少数 の好不評表現をもとに周辺文脈の評価表現の候補を取得している.先行研究 [2]が良い結果を得ていることから情緒の正負を反転させる接続表 現の存在が確認できる.