まとめ

本研究では，文節発声の話者依存性と，フレーズにおける音節波形接続方式の有効 性について調査した．聴覚実験において，文節発声はオピニオンスコア が4.41，対比較実験でも26.6%が合成音声の方が良い音だと判定された．このこ とから，話者の依存性は少ないと言える．

また音節波形接続方式をフレーズへ適用して作成した音声合成は，オピオンスコ アが3.71，対比較実験で7%が良い音だと判定された．このことから，音節波形接 続方式のフレーズへの適用は，文節発声の合成音声と比較すると自然性では劣るが，品質の高い合成音声が作成できることが確認された．

今後は，フレーズのモーラ位置やアクセント型を揃えた合成音声の作成と，音節部品を選ぶ際にどこまで言語的なパラメータの条件を緩和して良いか を調査していく．