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観測系列の生成確率を最大にするモデル
のパラメータの局所的最適値
を求める方法として,Baum-Welchアルゴリズムがある.
再推定には,前章で述べたForwardアルゴリズムを出力信号系列において前と後
ろから使用する.これをforward-backwardアルゴリズ厶とよぶ.
具体的に示す.モデルには2.5節で述べたMを使用する.学習用音声として,
個の観測符号ベクトル系列
が与えられ
たとき,
尤度である
![$\displaystyle \prod_{n=1}^{N} P( y_{1}^T(n) \vert \pi_{i}, a_{ij}, b_{ij}(k) )$](img125.png) |
(37) |
を最大化するパラメータセット
を
推定する.以下に手順を示す.
- モデルMにおいて前章で述べたforward変数
を用いて,forwardアルゴリズ厶に
より尤度
を出す.
- backward変数
を出す.
- backward変数とは[
:]時刻
に状態
にあって,以後符号ベクトル
を出力する確率である.以下に式を示す.
![$\displaystyle \beta (i,T) = \left\{ \begin{array}{ll} 1 & s_{i} \in F \\ 0 & s_{i} \notin F \end{array} \right.$](img132.png) |
(38) |
![$\displaystyle \beta (i,t) = \sum_{j} a_{ij} b_{ij} (y_t) \beta (j,t+1) \quad (t = T, T-1, \cdots ,1;i=1,2, \cdots ,S)$](img133.png) |
(39) |
- シンボル生成過程で,時刻tに状態
いる確率
を出す.
-
:
- モデル
が
を出力する場合において,時刻
tに状態
から状態
へ遷移し符号ベクトル
を出力
する確率.farward変数
,backward変数
,パラ
メータセットそしてfarwardアルゴリズ厶においての尤度
を用
いて表す.
![$\displaystyle \gamma (i, j, t) = \frac{ \alpha (i,t-1) a_{ij} b_{ij}(y_t) \beta (j,t)}{P (y_{1}^t \vert M)}$](img137.png) |
(40) |
- パラメータ
,
,
を,以下のような再推定式によって求める.
![$\displaystyle \hat{\pi_{ij}} = \frac{ \sum_{j} \gamma (i, j, 1) }{ \sum_{i} \sum_{j} \gamma (i, j, 1) }$](img141.png) |
(41) |
![$\displaystyle \hat{a_{ij}} = \frac{ \sum_{t=1}^T \alpha (i, t-1) a_{ij} b_{ij}(...
...t) } = \frac{ \sum_{t} \gamma (i, j, 1) }{ \sum_{t} \sum_{j} \gamma (i, j, t) }$](img142.png) |
(42) |
![$\displaystyle \hat{b_{ij}} = \frac{ \sum_{t, y_t = k} \gamma (i, j, t) }{ \sum_{t} \gamma (i, j, t) }$](img143.png) |
(43) |
実際は,すべての学習サンプルに対してこの計算を行ってから,1回パラメー
タを更新するというサイクルを,値が収束するまで繰り返す.
本研究では,HMM初期モデルの再推定に使用されている.
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平成24年3月20日