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離散記号について

離散記号は,日本語表現に対する文型パターン辞書の被覆率向上のために,日 本語パターンのみに付与されている記号である.同辞書を翻訳に用いた場合, 離散記号に適合した日本語表現が英語表現に反映されない問題がある.本稿で は,この問題の解決を目指して実験を行う.

まず,各離散記号が適合する日本語表現を表[*]に示す.

表: 各離散記号と適合する日本語要素
/y 連用節
/t 連体節
/c 格要素
/f 連用修飾要素
/k 連体修飾要素

次に,日本語パターンにおいて各離散記号が存在する位置と,日本語表現が 各離散記号に適合した例を示す.太字部分が離散記号が適合した部分である.

/y:
文型,連用・連体節の直前,連用節の直後


絶えず騒音にさらされていると聴力が損なわれる。
彼が演説すると聴衆が耳を澄まして聞く。

/t:
名詞句の直前


「アンクル・トムの小屋」は奴隷廃止制度をうたっ た最も有名な文学作品であった。
選別されて残った応募者に面接をした。

/c:
格要素の直前・直後


血管の中を血がどくどくと流れていくのを感じた。
首相は近く渡米して大統領と会談する予定だ。

/f:
文頭,述部・形容詞・動詞の直前


彼女は彼の求婚を拒絶したが、それは大して驚くには あたらない。
立派に成し遂げられた仕事への満足感という真の喜びを味わ う人はほとんどいない。

/k:
名詞句・単独名詞の直前

この病気の特徴は高熱が出ることだ。
彼女は和夫の突然の死を知って気絶寸前だった。


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平成20年1月27日