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分析が不安定な例

2で示した移動の例を示す.

直接表現から原因表現へ移動:
$ N1$$ N2$を脅迫する」
$ N1$$ N2$を脅迫することで,$ N2$が情緒を抱くと予測できる.
直接表現から反応表現へ移動:
$ N1$が涙ぐむ」
$ N1$がなんらかの情緒を抱いた反応と考えられる.
直接表現からその他へ移動:
$ N1$$ N2$に奉仕する」
$ N1$の情緒は読み取れず,原因とも反応ともつきにくいため,その 他に分類する.
原因表現から直接表現へ移動:
$ N1$が激発する」[$ N1$(389施設 760 人工物 1253感情)]
$ N1$が感情である場合,情緒状態であると考えられる.
反応表現から直接表現へ移動:
$ N1$$ N2$について感傷に耽る」
感傷は悲しみを表すため,$ N1$$ N2$に《悲しみ》の情緒を抱くと考えら れる.

また,表3で不同意となったパターンの例を示す.

$ N1$が拍手を$ N2$に送る:
直接表現に分類していたが,反応表現と考えられ る.
$ N1$$ N2$を威かす:
直接表現に分類していたが,原因表現と考えられ る.$ N1$が「威かす」という事実は示されているが,威かされた$ N2$が 《恐れ》を抱くかどうかは,このパターンには示されていないとし て,原因に分類している.また,「$ N1$$ N2$を威かした」と過去 形であれば,$ N2$が威かされたことは確定しており,$ N2$の情緒は 《恐れ》と考えられる.
$ N1$$ N2$を一笑に付す:
原因表現に分類していたが,反応表現と考えられ る.



平成19年3月12日