対比較実験において,言語クラスタリング音声の各評価者(A,B,C,D,E)の評価例 を表17に示す.表17の合成音声を作 成する際に用いた音節素片を5.4節の表14,15 に示す.表17において,2列目の``1番目の音声''とは,音 響クラスタリング音声と言語クラスタリング音声の内,どちらの種類の音声を1 番目に流したかを示している.また各評価者に付与されている``1'' および ``2''の数字は,同じ発話内容の音声を順に流した結果,各評価者が1番目と2番 目のどちらの音声の方が自然であったかを評価した値となっている.
合成音声 | 1番目の音声 | A | B | C | D | E |
筆箱 | 音響クラスタリング音声 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
品数 | 音響クラスタリング音声 | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 |
太刀魚 | 言語クラスタリング音声 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 |
表17より,合成音声``筆箱''と``品数''は5人一致で,合 成音声``太刀魚''は4人一致で言語クラスタリング音声の方が良いと評価してい ることが分かる.表18に,各音声における各評価者 の評価の内訳を示す.
表18より,5人一致で言語クラスタリング音声の方が 良いと評価した音声の件数が58件,3人以上が言語クラスタリング音声の方が 良いと評価した音声の件数が21件となり,言語クラスタリング音声と音響クラス タリング音声との間の音声品質には差があると分かった.