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情緒推定に関する従来の研究

これまでには,結合価パターンを使った情緒推定の研究に,田中ら[5] の研究がある.この研究は,情緒生起に関する原因を表す表現に注目し,情緒を 推定することを目標としている.

結合価パターンを用いた情緒推定を行うために,結合価パターンに情緒生起の特 徴を付随させておく.こうすることで,文と結合価パターンの照合により,文の 表す状況に情緒生起の原因が含まれていることが解析できるようになる.情緒生 起の特徴は,文脈情報や世界知識を用いて解析しなければならない部分がある. これは,結合価パターンによる意味解析の範囲を越えるため,その部分は意味理 解により判断情報が得られることを仮定し,結合価パターンには,その判断材料 を検査する属性として「前提条件」を付随している.

一方,情緒状態を直接表現する単語に関する研究として,飛田・浅田の文献があ げられる[8] [9] [10] .日本語の副詞・形容詞・ 形容動詞,およびオノマトペに,感情に関するイメージを対応付けた.しかし, 用言に対して,情緒の直接表現を網羅的に調査した研究は見られない.



平成18年5月2日