具体例を以下に示す.
(a)単純に情緒を言い表している用言
・「N1がN2を祝う」
情緒主:N1,情緒対象:N2,情緒の種類:喜び
・「N1がN2を惜しむ」
情緒主:N1,情緒対象:N2,情緒の種類:悲しみ
・「N1がN2を愛する」
情緒主:N1,情緒対象:N2,情緒の種類:好ましい
・「N1はN2に/で頭が痛い」
情緒主:N1,情緒対象:N2,情緒の種類:嫌だ
・「N1がN2と望む」
情緒主:N1,情緒対象:N2,情緒の種類:期待
・「N1がN2と迷う」
情緒主:N1,情緒対象:N2,情緒の種類:恐れ
・「N1はN2の目を疑う」
情緒主:N1,情緒対象:N2,情緒の種類:驚き
・「N1がN2を憎む」
情緒主:N1,情緒対象:N2,情緒の種類:怒り
(b1)非情緒的な用言と情緒的な用言に分類できる用言
・「がを愛読する」・・・ 今回、作成した結合価パターン辞書は、文章から情緒を推定するための基とな る辞書である。 これを使うことにより、様々な文章から、どのような情緒が生起しているのか 推定することが出来る。「愛する」と「読む」という意味の合成とみ なす.
情緒主:,情緒対象:,情緒の種類:好ましい
(b2)複数の状況が組み合わさり情緒を言い表している用言
・「とが意気投合する」・・・「とがいろいろな動作をする」 して「がを好む」と「がを好む」と分解する.
情緒主:N1,情緒対象:N2,情緒の種類:好ましい
情緒主:N2,情緒対象:N1,情緒の種類:好ましい
*用言の複雑さによらず情緒の曖昧性があるものを,下記に示す.
・「がに悲鳴を上げる」
「情緒対象が情緒主にとって良い こと」ならば,情緒の種類は,「喜び」となり,「悪いこと」ならばそれは, 「嫌だ」となる.
・「がに感嘆する」
[7]の意味によると,1)関心して ほめること,2)なげき悲しむこと,の二つの意味があり,文脈により推定される 情緒は違ってくる.